信託で相続の次の次へ!

信託って何?どんなことができるの??

最近雑誌や書籍で頻繁に聞くようになってきた「信託」というワード。

 

気にはなるけど内容が複雑でよくわからない。。。

 

でも安心してください。信託はそんなにむずかしいものではありません。

 

今までの遺言書だけの方法よりも様々な財産の遺し方を考えることができる制度です。

 

様々な可能性を考慮しながら「どう財産を相続してほしいのか」を伺ってよりよい方法を一緒に考えていきましょう!

 

ではまず信託の基本から見ていきましょう。

 

登場人物は3人!

信託には3人の登場人物が出てきます。

 

それは「委託者」・「受託者」・「受益者」です。

 

似たような名前で混乱しそう。。。

 

ではまずそれぞれの意味から見てみます。

 

まず「委託者」です。委託者は信託の生みの親です。

 

この人が「信託しよう!」と思うところから信託はスタートします。

 

信託を頼む人=委託する人(委託者)というわけです。

 

この委託者の財産を信託として次に記載する「受託者」に依頼することが信託の誕生です。

 

2人目の登場人物は「受託者」です。

 

受託者は信託を委託者に頼まれる人です。

 

委託される人=受託する人(受託者)というわけです。

 

信託契約はこの委託者と受託者の合意によって効力が発生します。

 

委託者が「○○をあなたに託すからこれから受益者のために○○をしてね」と受託者に依頼します。

 

そして受託者がそれに対し「分かりました」となると晴れて信託スタートです。

 

最後の登場人物は「受益者」です。

 

受益者は信託によって管理されている財産の利益を受ける人です。

 

利益を受ける人=受益する人(受益者)というわけですね。

 

信託はこの3人の登場人物によって構成されています。似たような名前ですが、意味を理解すると少し分かりやすいですね。

 

信託の基本的な構造

ポイント1では信託の登場人物の説明をしました。

 

ここでは信託の基本的な使い方を見てみます。

 

財産の承継の仕方には色々な方法があります。

 

代表的なものは「相続」ですね。

 

その他にも贈与という方法もあります。

 

相続は本人が亡くなった後にしかできませんから、生前にできる対策としては贈与が大半の部分を占めることになります。

 

ではこの贈与の特徴を見てみましょう。

 

  1. 年110万円を超えた部分には高額な税金がかかる
  2. 贈与した後の財産の使い方は贈与を受けた人次第
  3. きちんとした方法で贈与しないと後から贈与を否定されることがある。

 

贈与は相続分の前渡しという性質があるので、相続税逃れに使われないように相続税よりも高い税率が設定されています。

 

さらに贈与した財産はその後どう使われるかを制限することが基本的にできません。

 

なので親が本来使ってほしい目的通りに使われるとは限らず、浪費癖のある子どもなどには安心して贈与することができないという問題があります。

 

そこで信託を活用してみることにします。

 

例えば1000万円の預金を信託し、年間100万円までしか子には渡さないことにすれば浪費癖のある子どもでも一定の制限を課すことができます。

 

また、信託によって利益を受けることは課税上贈与にあたると考えられますが、年間100万円までであれば非課税となります。

 

そして親(委託者)と子(受益者)の間に受託者を関わらせることによって財産を客観的に管理することもできます。

 

こうしたお互いの監視の目をつけることによってよりよく財産承継を果たすということができるのです。

 

より柔軟な承継方法も

今まで信託と贈与や相続などの違いについてみましたが、信託の一番の特徴と言えるのはその「柔軟性」です。

 

信託には根拠となる法律に「信託法」というものがあります。しかし、この法律で定められていることは基本的なことになっており、信託行為によって定めることによって様々な使い方に応用することができるのです。

 

例えば委託者と受益者を兼ねることができます。

 

ここまで信託の登場人物は3人とお伝えしてきましたが、信託では登場人物を2人にして役割を3つにすることもできるのです。

 

委託者は受託者に対し、「私のために○○を管理してください」とお願いすることで受益者にもなれるのです。

 

何のためにこんなことをするのかと感じられるかもしれませんが、例えば自分が認知症になった時のことに備えるといった意味があります。

 

自分で財産を管理できなくても日々生活するために必要なものがあります。

 

そこで自分が元気なうちに信頼できる人に財産を預けて毎月○○円振り込んでくださいといったように活用するのです。

 

またその他にも先祖代々の土地を相続させていきたいんだけど、子どもに相続させてしまった後は誰に相続させるかを決められないということがあります。

 

相続では自分から誰かに相続(遺贈)させるところまでは決めることができますが、その先には効力が及びません。

 

遺言で私の財産は息子に相続させる。息子が死んだ場合には息子の長男に財産を相続させると記述しても息子の長男に対しての部分は効力がありません。

 

しかし信託ならそれが可能なのです。

 

先祖代々の財産を守りたいという方にはとてもいい方法ですね。

 

その他にもアイデア次第で信託は様々な活用方法がございます。一度ご相談にいらしてください。

 

 

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